頸部(くび)とは
頚部(くび)には、体と脳の間を血液が行き来する頚動脈、頚静脈があり、免疫をつかさどるリンパ管、リンパ節がはり巡らされています。また、新陳代謝にかかわるホルモン(甲状腺ホルモン)を分泌する甲状腺や、唾液を分泌する耳下腺、顎下腺、舌下戦などの唾液腺が存在します。
病気によって様々な症状が出ることがあります。原因次第で対応が異なるので、頸部の症状に気付いた時は早めに耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。
頸部リンパ節炎
頸部リンパ節炎は、首のリンパ節が炎症を起こして腫れ、痛みが出る病気です。主な原因はウイルスや細菌感染で、風邪や扁桃炎などがきっかけになることが多いです。症状は首のしこりや痛み、発熱などが見られます。治療は原因に応じて抗菌薬や解熱鎮痛薬を使用し、必要に応じてリンパ節生検を行うこともあります。
甲状腺腫瘍
甲状腺腫瘍とは、甲状腺にできる腫瘍を指し、良性と悪性(甲状腺がん)のどちらの場合もあります。甲状腺腫瘍の多くは良性です。腫瘍が見つかった際には、細胞診という病理検査が必要となるため、検査可能な連携病院へご紹介しています。
甲状腺腫瘍の症状は、多くの場合、自覚症状がないか、首のしこり程度で、大きな腫瘍の場合は首の腫れや声のかすれなどが現れることがあります。
治療法は、良性腫瘍では、多くの場合経過観察で問題ありません。大きな腫瘍や、症状がある場合は、手術が検討されます。
悪性腫瘍では、手術が基本ですが、がんの進行の程度や腫瘍の種類によって、治療法が異なります。