小児の中耳炎

近年、お子さんの中耳炎の難治化が進んでいます。

 

原因として、集団保育の低年齢化により一旦よくなっても感染が繰り返しやすくなること、薬剤耐性菌(抗菌薬が効きにくい細菌)が増えていることが挙げられます。

 

当院では、小児中耳炎ガイドラインに沿って適切な治療を行います。

 

・できる限り、細菌検査、薬剤感受性検査を行い、適切に抗菌薬を使用します。
中耳炎を起こす最近は毎回異なります。鼻汁や鼓膜切開をした際には中耳貯留液より検査を行います。また中耳炎は鼻の奥から耳管を通じて中耳に感染を起こす病気ですから、鼻の健常化が重要です。

 

・鼓膜の変化を毎回内視鏡で確認し、治療効果を判定します。
お薬が効いているかどうかを判断するには、鼓膜所見を確認することが一番大切です。特に重症の急性中耳炎の場合には、適切に治療を行うため、頻回に受診をお願いすることがあります。

 

・重症の場合には説明の上、鼓膜切開を行います。
抗菌薬も進化していますが、重症の中耳炎の場合には、鼓膜切開を行って中耳にたまっている膿を排出し中耳の換気を図ることが必要になります。鼓膜切開が必要な場合にその旨をご説明します。鼓膜切開というと怖いイメージがあるかもしれませんが、鼓膜麻酔液等で耳内の麻酔をしますので、操作自体の痛みはほとんど感じません。